プリニウス第62回「イルカ」

2019年09月10日

「新潮」10月号発売されました。ヤマザキマリ+とり・みき『プリニウス』は第62回「イルカ」。ネロのヴィラから逃走したプラウティナは奴隷市場を経てプリニウス邸で働き始めますが......。

市場の背後に見えるのはテスタッチョの丘。オスティア港からテベレ川を通じ運ばれてきたオリーブオイル用アンフォラ(壺)は廃棄されやがて丘のようになりました。貝塚ならぬ壺塚ですが最初から計画的に積み上げられたと考えられています。テスタッチョ周辺は今でも食料市場が多い地域になっています。

さて、夜中の執筆作業を中断し近所のコンビニへ買い物に出たら、朝まではまだまだ時間があるのにオリオンとシリウスがけっこう高いところまで昇ってきていました。もう秋なのですね……。

もっとも明るく輝く恒星シリウスは洋の東西を問わず古来より特別な星と考えられてきましたが、とくにプリニウスは大のお気に入りで博物誌でも何かにつけ言及されます。たとえばこれ。

そして今月号の第62話「イルカ」でもかような蘊蓄をたれております。