夏目房之介さん、ゆうきまさみさん、寺田克也さん、ヤマザキマリさんとマンガ談義

2018年10月23日

夕べは下北沢某所で昭和マンガ談義。先日BSプレミアムで放送のあった『100分de石ノ森章太郎』の余勢をかって「まだ脳が興奮して喋り足りない」とおっしゃる夏目房之介さんをお招きして、とり、ヤマザキマリ、ゆうきまさみ、寺田克也が一同に会しました。放送にもWEBにも印刷媒体にも載らない、ごく私的な集まりでしたが、いや面白かった、楽しかった。

僕はなかなか取りあげられることの少ない、70年前後に筑摩書房と双葉社から出たマンガ全集(前者は「現代漫画」後者は「現代コミック」というシリーズ)を幾つか持っていきました。「現代漫画」の石森章太郎集(69年)は今見てもなかなかすばらしいセレクトで、デビュー時代から当時の青年マンガの野心作『佐武と市捕物控』や実験作『ジュン』まで、この作家の作風の幅の広さを実感させてくれます。

よけいなエピソードですが、マンガではっきりと描かれた男性器(ただしバラードの『溺れた巨人』からインスパイアされたとおぼしき、海岸に打ち上げられた「巨人」の性器ですが)を見たのはこの『ジュン』が初めてで、かなり衝撃を受けたのを覚えています。

リアルタイムに少年誌で享受していた連載作品とは別に、過去作のおさらいは既に『マンガ家入門』で知識の下地が出来ていましたが、その補完をこの全集で行った、という感じです。皮肉にもこの70年頃を境に、個人的には、つまり中学生の僕は、トキワ荘世代の次の世代のマンガ家たちに関心が移っていくのですが……。

この現代漫画全集の話はまたいずれ。