プリニウス第70回「アルティフェクス」

「新潮」8月号発売。ヤマザキマリ+とり・みき『プリニウス』は第70話「アルティフェクス」(=芸術家)。いよいよネロの最期を描きます。タイトルはネロの最期の言葉とされている "Qualis artifex pereo"より。

冒頭はカピトリーノのユピテル神殿。雷神が象徴するように、この日ローマ市内には暗雲が立ちこめ雷が鳴り響いていた、と文献は伝えています。

ネロの最期はスエトニウスによって詳しく記されており、後世のネロ伝もおおむねこれに拠っているのですが、スエトニウス個人の恣意的な脚色も大きい印象ではあります(あんたその場におったんかい、というような)。ともかくネロが最後に駆け込んだファロンのヴィラはサラリア(塩)街道方面にあったということで、一行は北東の門から脱出しています。

『プリニウス』では一応こうした文献を踏まえつつも、これまでネロと格闘してきたヤマザキさんならではのエンディングになっています。届いたヤマザキさんパートの人間のお芝居が鬼気迫るものがあり、とりの担当箇所や演出もそれに応えるべくふだんの倍近く作画に時間がかかりました。

これをもって9月発売予定の第10巻所収のラストエピソードとなります。