11/10発売『キンダガートン・コップ』『マネー・ピット』の吹替解説を担当

2021年11月08日

11/10発売の玄田哲章版(TBS版)/大塚明夫版(VHS版)両吹替版収録の『キンダガートン・コップ』、そして同じく11/10発売の大塚芳忠版(TBS版)/松本保典版(VHS版)両版収録の『マネー・ピット』に吹替解説を書きました。

今回TCE/是空で発売されるブルーレイでは、その作品の解説以外に、おおまかな日本の吹替史と、TV版とオフィシャル版吹替の違いなどについても語っています。といっても商品が違うので続き物にはできず、逆にダブった原稿内容にもできないのが難しいところですが、色々工夫しております。

(書いた物は商品でご確認いただくとして、以下抵触しない範囲で……)例えば同じTV吹替でも、初期と60年代半ば以降は違っていて、最初は吹替もTV局の直接制作で演出も局のディレクターがやっていました。やがて制作自体は音声制作会社に外注するようになりますが、局の意向は反映されその局ごとの「色」がありました。

かたやオフィシャル版も、最初のレンタルビデオ時代のVHS吹替版(字幕版とは別パッケージで出ていました)と、DVD時代の吹替と、現在の劇場日本語版や配信版とでは大きく変わってきています。いちばん違うのは予算なのですが、翻訳台本の言葉の制約の問題等もあります。

例えば、初期のソフト版では淫語や汚い言葉も、クローズドで対価金を払った視聴ということで原典のセリフに近い翻訳がされていました。『キンダガートン・コップ』のソフト版では子供達がその手のセリフを発するので成年の声優が使われていますが、TV版は言葉を無難な日本語に置き換えているので児童劇団の子役達が抜擢されています

(↑原典も吹替だった可能性大)しかし、現在はTV版吹替がほぼなくなり、オフィシャル版をそのままTVのゴールデンタイムで流すようになったので、再び言葉の制約が地上波TV基準に戻ってしまっているのでした。