2012年12月31日月曜日

忘年会

12月28日は恒例の忘年会。

なぜか数年前からMCはその年の時事ネタでコスプレさせられるようになり(しかもスタッフが準備するので僕も当日まで詳細はわからない)、今年は完成なったスカイツリー。衣装は隣の東京タワー(モスラ付き)のさっちゃんのお手製です。

アトラクションの「記憶だけで描く」対決(サイバラの画力対決より前からやってます)ではアポロ月着陸船を4人で。左上:とり・みき、右上:張仁誠、左下:出渕裕、右下:横山宏。
皆様、今年もお世話になりました。2012年は忙しかったけどマンガの仕事の比率が減ってしまったのは、ちょっと忸怩たるものがあります。でも忘れられない仕事や、素敵な出逢いや刺激もありました。

2013年は正月から忙しくなりそうです。マンガもたくさん描きたいと思っています。変わらずにご贔屓のほどを御願い奉りまする。

熊本帰省

12月23日から26日まで熊本帰省。実家の、もう使わないであろうさまざまな物を処分したり、要る物は東京に送ったり。

それにしても、母親、いつものことではあるが喋る喋る。この人は喋っていないと死んでしまうと思っているのではないかというくらい、夕食時から深夜まで一瞬のインターバルも置かず7時間ほど喋りっぱなし。世の中の森羅万象すべてを言葉に置き換えないと気がすまないようだ。熊本の男が概して無口になるのはむべなるかな……。

たまらずに落語の「寝床」のように退避した父親の書斎で、書棚に『買ってはいけない』と『「買ってはいけない」は買ってはいけない』が並んでいるのを発見し、ちょっと笑う。

写真は実家の近所で撮ったもの。


水前寺の母

ルネサンス

どうぶつ

私道?

祈りと怪物

12月19日。渋谷シアター・コクーンにて「祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~/KERAバージョンマチネ観了。

年々長くなるKERAさんのお芝居。年末進行による寝不足で、ちょっと不安を感じつつ行ったのだが、4時間10分ここちよい緊張であっという間だった。


お芝居は神話的な物語のパターンがてんこ盛りに散在し、それらは無理にクリシェ的な収斂はされない。悪辣な怪物的人物が、別の局面では軽妙な人間的魅力も見せる両義性と併せて、極めてギリシア〜ローマ神話的な構造で、その多面性を効果的に見せるための舞台上の仕掛けや演出もあいかわらず凝っていて唸った。パスカルズの生演奏もよかったです。

劇用ピストルの不発にヒヤヒヤしたけど、幸いそれはありませんでした。

ゆずママレードとレモンオリーブオイル

奥さんの愛媛の実家から、有機自家栽培している柚子とレモンが今年も送られてきました。柚子は料理に使う分を残して、いつもママレードにしています。

レモンは、今年マンガフェスで訪れたシチリアで買ってきたレモン・オリーブオイルがとても気に入ったので、さっそく作ってみることに。ピールをつけ込むだけの簡単な作業だけど、無農薬レモンが必要だったので渡りに舟でした。

近藤ようこ展と謎の焼鳥会

12月9日。ビリケン商会で開かれていた近藤ようこ/戦争と一人の女展にうかがってきました。最終日に滑りこみセーフ。

近藤ようこさんの絵はベタの使い方がとても印象的です。マーカーやコミックソフトの流し込みでない、筆によるムラやカスレのあるスミベタの原画を堪能。ようこ先生のお召し物も素敵でした。

サイン付きで欲しかったので、ここまで買っていなかった『戦争と一人の女』(青林工藝社)を購入。この日記を書いているのは年明けなので既に読了しましたが、すばらしいですよ。雑誌連載ではなかなか実現不可能な淡々とした時間の流れの中で、漫画的類型でない戦争観や男女の機微がさらりと描かれていて震えます。劇的でないのに凄みがある。興味深かったのがナレーションとモノローグの併用。フキダシの形で変えているのだが、内容が補完しあったり拮抗したりと面白い。井上則人さんの装丁もとてもいい。

は、谷口ジローさん、寺田克也さん、羽海野チカさん、ヤマザキマリさんという豪華メンバーで少し早めのマンガ家忘年会。写真はそのときの寄せ描き。真ん中が僕なのは僕用だからで、それぞれの分とお店の分、計6枚描きました。1人だけこんなテキトーな絵でホントすみませんという気分になった。


付記:寺田克也バージョン(皆で谷口ジローさんを描きました)
http://www.cacazan.com/jiroo/jiros.jpg
ヤマザキマリさんがUPしたお店宛バージョン(西遊記でまとめました)
※ヤマザキさん宛のは18禁で公開できません(笑)
http://pbs.twimg.com/media/BAat72qCIAAXVsT.jpg#twimg 

おすすめ文庫王国2013

本の雑誌「おすすめ文庫王国2013」が、ただいま発売中。

毎年描いております、おなじみ「とり・みきのSF大将番外編」今年のネタはチャイナ・ミエヴィルの『都市と都市』です。原作も面白かったー。

コマンドーインタビュー

吹替関係のインタビューが続きます。12月7日は“史上最強の『コマンドー』<日本語吹替完全版>コレクターズBOX”の追加収録の取材にいってきました。ディレクターズ・カット版に、テレ朝の玄田哲章版、TBSの屋良有作版を収録し、足りない部分はそれぞれのオリジナル・キャストで追加録音、という至れり尽くせりの内容です。

 とくに平田勝茂訳のテレ朝版は、再放映のたびにその数々の意訳が話題を呼び、ジブリアニメなどと同じく「不特定多数の同時視聴者とWEBで実況しながら一緒に楽しむ」という、いわば巨大パーティムービーとしての人気を獲得しています。このような楽しまれ方は、TV版制作時は誰も考えなかったでしょう。

僕が見学したのはそのテレ朝版の追加収録だったのですが、時間にしてそう長いわけではなく、また玄田さんも土井美加さんも現役バリバリなので、元の音源との繋がりもまったく問題なし。こういう完全版は大歓迎です。

昼休みにお時間をいただいて、玄田さんと、平田勝茂さんにインタビュー。平田さんは、SF・戦争・アクション映画ならこの人、といわれる翻訳者で、字幕版より吹替版の評価のほうが高かった、あの『ロード・オブ・ザ・リング』3部作も手がけてらっしゃいます。『コマンドー』関係の話は、例によってそのコレクターズBOXに収録されるので、ここであまり詳しくは話せないのですが、吹替の帝王サイトには『スター・ウィーズ』シリーズに関するインタビューがUPされていますので、ぜひご覧ください。

意訳に関しては、あえてひねくっているのではなく、それが日本語としていちばん自然に言語のニュアンスを伝える表現だと思ってやっているとのこと。「そもそも翻訳とは翻って訳すことだから」と。ただし「DVD時代になって字幕との細かい整合性を問われるようになり破天荒な意訳がむずかしくなった」と、これまた先日の小山悟さんと同じお答えが返ってきました。また「劇場版は本来TVよりも言葉の制約が少なくてしかるべきなのに、TVの洋画番組でもオフィシャル版を使用するケースが増えたので、最初からそのことまで考えて訳さなければいけなくなった」というお話も。

このTV版とオフィシャル版(=劇場版・ソフト版)の吹替の違いに関しては、同じサイトの「とり・みきの吹替どうなってるの」にも近々書く予定です。

小山悟さんインタビュー

12月3日は、初台のHalf H・P STUDIOにて音響監督の小山悟さんのお話をうかがってきました。例によって007TV吹替音源収録DVDの仕事です。

ショーン・コネリーからロジャー・ムーアまでの007シリーズのTV吹替のディレクターは、おおまかにいって加藤敏さん→佐藤敏夫さん→小山悟さん→伊達康将さんという流れ。制作はいずれも東北新社で、現在はHalf H・P STUDIOのチーフ・ディレクターである小山さんも、当時は東北新社の音響監督でした。

佐藤敏夫さんが築いた007吹替の色を、80〜90年代にかけて少し変えようとしたのが小山さんで、その幾つかの試みについてはこちらをご覧ください。さらに詳しい話は第二期DVDのライナーで。

小山さんは『冒険野郎マクガイバー』『俺がハマーだ!』のディレクターでもあります。脱線してその辺の話や、テレビ版のとオフィシャル版(ソフト版)の吹替の違いについてもうかがいました。

テレビ版では直訳よりも極力わかりやすさが優先され、ときには声優さんの遊びも入ったりもますが、ソフト版は吹替と字幕があんまり違うとユーザからクレームが来るそうなので、クライアント側が意訳を嫌って字幕と同調させる傾向があるのだとか。僕などは字幕と違ったほうが、むしろ喜んでしまうのですが……なかなかむずかしいですね。