2012年12月31日月曜日

忘年会

12月28日は恒例の忘年会。

なぜか数年前からMCはその年の時事ネタでコスプレさせられるようになり(しかもスタッフが準備するので僕も当日まで詳細はわからない)、今年は完成なったスカイツリー。衣装は隣の東京タワー(モスラ付き)のさっちゃんのお手製です。

アトラクションの「記憶だけで描く」対決(サイバラの画力対決より前からやってます)ではアポロ月着陸船を4人で。左上:とり・みき、右上:張仁誠、左下:出渕裕、右下:横山宏。
皆様、今年もお世話になりました。2012年は忙しかったけどマンガの仕事の比率が減ってしまったのは、ちょっと忸怩たるものがあります。でも忘れられない仕事や、素敵な出逢いや刺激もありました。

2013年は正月から忙しくなりそうです。マンガもたくさん描きたいと思っています。変わらずにご贔屓のほどを御願い奉りまする。

熊本帰省

12月23日から26日まで熊本帰省。実家の、もう使わないであろうさまざまな物を処分したり、要る物は東京に送ったり。

それにしても、母親、いつものことではあるが喋る喋る。この人は喋っていないと死んでしまうと思っているのではないかというくらい、夕食時から深夜まで一瞬のインターバルも置かず7時間ほど喋りっぱなし。世の中の森羅万象すべてを言葉に置き換えないと気がすまないようだ。熊本の男が概して無口になるのはむべなるかな……。

たまらずに落語の「寝床」のように退避した父親の書斎で、書棚に『買ってはいけない』と『「買ってはいけない」は買ってはいけない』が並んでいるのを発見し、ちょっと笑う。

写真は実家の近所で撮ったもの。


水前寺の母

ルネサンス

どうぶつ

私道?

祈りと怪物

12月19日。渋谷シアター・コクーンにて「祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~/KERAバージョンマチネ観了。

年々長くなるKERAさんのお芝居。年末進行による寝不足で、ちょっと不安を感じつつ行ったのだが、4時間10分ここちよい緊張であっという間だった。


お芝居は神話的な物語のパターンがてんこ盛りに散在し、それらは無理にクリシェ的な収斂はされない。悪辣な怪物的人物が、別の局面では軽妙な人間的魅力も見せる両義性と併せて、極めてギリシア〜ローマ神話的な構造で、その多面性を効果的に見せるための舞台上の仕掛けや演出もあいかわらず凝っていて唸った。パスカルズの生演奏もよかったです。

劇用ピストルの不発にヒヤヒヤしたけど、幸いそれはありませんでした。

ゆずママレードとレモンオリーブオイル

奥さんの愛媛の実家から、有機自家栽培している柚子とレモンが今年も送られてきました。柚子は料理に使う分を残して、いつもママレードにしています。

レモンは、今年マンガフェスで訪れたシチリアで買ってきたレモン・オリーブオイルがとても気に入ったので、さっそく作ってみることに。ピールをつけ込むだけの簡単な作業だけど、無農薬レモンが必要だったので渡りに舟でした。

近藤ようこ展と謎の焼鳥会

12月9日。ビリケン商会で開かれていた近藤ようこ/戦争と一人の女展にうかがってきました。最終日に滑りこみセーフ。

近藤ようこさんの絵はベタの使い方がとても印象的です。マーカーやコミックソフトの流し込みでない、筆によるムラやカスレのあるスミベタの原画を堪能。ようこ先生のお召し物も素敵でした。

サイン付きで欲しかったので、ここまで買っていなかった『戦争と一人の女』(青林工藝社)を購入。この日記を書いているのは年明けなので既に読了しましたが、すばらしいですよ。雑誌連載ではなかなか実現不可能な淡々とした時間の流れの中で、漫画的類型でない戦争観や男女の機微がさらりと描かれていて震えます。劇的でないのに凄みがある。興味深かったのがナレーションとモノローグの併用。フキダシの形で変えているのだが、内容が補完しあったり拮抗したりと面白い。井上則人さんの装丁もとてもいい。

は、谷口ジローさん、寺田克也さん、羽海野チカさん、ヤマザキマリさんという豪華メンバーで少し早めのマンガ家忘年会。写真はそのときの寄せ描き。真ん中が僕なのは僕用だからで、それぞれの分とお店の分、計6枚描きました。1人だけこんなテキトーな絵でホントすみませんという気分になった。


付記:寺田克也バージョン(皆で谷口ジローさんを描きました)
http://www.cacazan.com/jiroo/jiros.jpg
ヤマザキマリさんがUPしたお店宛バージョン(西遊記でまとめました)
※ヤマザキさん宛のは18禁で公開できません(笑)
http://pbs.twimg.com/media/BAat72qCIAAXVsT.jpg#twimg 

おすすめ文庫王国2013

本の雑誌「おすすめ文庫王国2013」が、ただいま発売中。

毎年描いております、おなじみ「とり・みきのSF大将番外編」今年のネタはチャイナ・ミエヴィルの『都市と都市』です。原作も面白かったー。

コマンドーインタビュー

吹替関係のインタビューが続きます。12月7日は“史上最強の『コマンドー』<日本語吹替完全版>コレクターズBOX”の追加収録の取材にいってきました。ディレクターズ・カット版に、テレ朝の玄田哲章版、TBSの屋良有作版を収録し、足りない部分はそれぞれのオリジナル・キャストで追加録音、という至れり尽くせりの内容です。

 とくに平田勝茂訳のテレ朝版は、再放映のたびにその数々の意訳が話題を呼び、ジブリアニメなどと同じく「不特定多数の同時視聴者とWEBで実況しながら一緒に楽しむ」という、いわば巨大パーティムービーとしての人気を獲得しています。このような楽しまれ方は、TV版制作時は誰も考えなかったでしょう。

僕が見学したのはそのテレ朝版の追加収録だったのですが、時間にしてそう長いわけではなく、また玄田さんも土井美加さんも現役バリバリなので、元の音源との繋がりもまったく問題なし。こういう完全版は大歓迎です。

昼休みにお時間をいただいて、玄田さんと、平田勝茂さんにインタビュー。平田さんは、SF・戦争・アクション映画ならこの人、といわれる翻訳者で、字幕版より吹替版の評価のほうが高かった、あの『ロード・オブ・ザ・リング』3部作も手がけてらっしゃいます。『コマンドー』関係の話は、例によってそのコレクターズBOXに収録されるので、ここであまり詳しくは話せないのですが、吹替の帝王サイトには『スター・ウィーズ』シリーズに関するインタビューがUPされていますので、ぜひご覧ください。

意訳に関しては、あえてひねくっているのではなく、それが日本語としていちばん自然に言語のニュアンスを伝える表現だと思ってやっているとのこと。「そもそも翻訳とは翻って訳すことだから」と。ただし「DVD時代になって字幕との細かい整合性を問われるようになり破天荒な意訳がむずかしくなった」と、これまた先日の小山悟さんと同じお答えが返ってきました。また「劇場版は本来TVよりも言葉の制約が少なくてしかるべきなのに、TVの洋画番組でもオフィシャル版を使用するケースが増えたので、最初からそのことまで考えて訳さなければいけなくなった」というお話も。

このTV版とオフィシャル版(=劇場版・ソフト版)の吹替の違いに関しては、同じサイトの「とり・みきの吹替どうなってるの」にも近々書く予定です。

小山悟さんインタビュー

12月3日は、初台のHalf H・P STUDIOにて音響監督の小山悟さんのお話をうかがってきました。例によって007TV吹替音源収録DVDの仕事です。

ショーン・コネリーからロジャー・ムーアまでの007シリーズのTV吹替のディレクターは、おおまかにいって加藤敏さん→佐藤敏夫さん→小山悟さん→伊達康将さんという流れ。制作はいずれも東北新社で、現在はHalf H・P STUDIOのチーフ・ディレクターである小山さんも、当時は東北新社の音響監督でした。

佐藤敏夫さんが築いた007吹替の色を、80〜90年代にかけて少し変えようとしたのが小山さんで、その幾つかの試みについてはこちらをご覧ください。さらに詳しい話は第二期DVDのライナーで。

小山さんは『冒険野郎マクガイバー』『俺がハマーだ!』のディレクターでもあります。脱線してその辺の話や、テレビ版のとオフィシャル版(ソフト版)の吹替の違いについてもうかがいました。

テレビ版では直訳よりも極力わかりやすさが優先され、ときには声優さんの遊びも入ったりもますが、ソフト版は吹替と字幕があんまり違うとユーザからクレームが来るそうなので、クライアント側が意訳を嫌って字幕と同調させる傾向があるのだとか。僕などは字幕と違ったほうが、むしろ喜んでしまうのですが……なかなかむずかしいですね。

2012年11月29日木曜日

山下達郎サンデーソングブック20周年

TOKYO FMの山下達郎サンデーソングブック20周年を記念して、番組特製リクエスト専用応募葉書オリジナルデザイン切手を作ることになり、そのデザインを担当いたしました。

今年はタツローくん大活躍です。おかげさまで番組プレゼント史上最高の応募があったそうで、当たった方、おめでとうございます。

2012年11月20日火曜日

『OPUS』クリスマスバージョン


ジャケットイラストを担当した山下達郎さんのオールタイムベスト『OPUS』が本日発売分より12/25までクリスマス限定パッケージになります(中身は同じですが三方背BOXで包装)。まだお買い求めでない方はこの機会にどうぞ。

同様に12/11発売の『クリスマス・イブ』新装版もタツローサンタバージョンに包装されます(中身は03年Remix盤です)。こちらもコレクターズ・アイテムの一つに。 

詳しくは Warner Music Japan 山下達郎スペシャルサイト をご覧ください。クリスマスバージョンのイラストを使ったスポットCMの動画も見ることができます。

2012年11月8日木曜日

BarBandNight vol.6

今年も出ますバーバンドナイトvol.6 11/11@下北沢440

日時:11月11日(日)
時間:18:30開場 19:00開演
場所:下北沢440 four forty 03-3422-9440
料金:前売¥3,500 当日¥4,000
※ドリンク飲み放題
前売りチケットはバシブズークで販売
 

出演(登場順)
水中、それは苦しい
=ジョニー大蔵大臣+セクシーパスタ林三+アナーキー吉田
 
2835=久住昌之+hiroco
とり・みきとエゴサーチャーズ
=とり・みき+伊藤健太+サンコンJr.+葛岡みち
86ヒーローズ=サンコンJr.+樋口タケシ+はらだじゅん+秘密ゲスト

Reina kitada & Watoson Parker 2storokes
黒沢秀樹=黒沢秀樹+棚沢雅樹+伊藤健太
アチョリキックス=はらだじゅん+戸田吉則+棚沢雅樹+横山キース英規+白石亜紀彦+クジヒロコ+マンハッタンスリム

ゲスト:山本直樹、中川いさみ他
総合司会:MC東京鎌田


今回のとり・みきはエゴサーチャーズというバンド名で出ます。ボサノバを歌うという噂ですがはたして本当でしょうか。出演者も豪華ですが、このイベントの特別なところはなんとドリンク飲み放題という点だ。皆様ふるってお越しください。

とり・みきの吹替どうなってるの

FOXの日本語吹替版専門映画サイト「吹替の帝王」でやっているコラムに「とり・みきの吹替どうなってるの」というタイトルがつきました。リニューアル第1回目のテーマは「アジア人俳優の吹替って不自然に聞こえる?」です。この問いをきっかけに、日本語吹替の演技的な問題点や、また技術史などにも言及していきたいと思います。

それにしてもこのトップページを見ると俺がこの女の人みたいではないか(gleeのティナですけどね)

2012年11月6日火曜日

『007は二度死ぬ』TV放送吹替版上映会

本日11/6 TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われるTV版吹替による『007は二度死ぬ』上映会にトークゲストとして出ます。ただし観覧募集と抽選はもう終わっちゃってるのですけど。おいでになる方は会場でお声かけください。
007は属性の極めて多い映画なので、何を主眼に見るかで好きな作品が違ってくる。まともな観方をすれば『ロシアより愛をこめて』や『女王陛下の007』が出来がいいのだろうけど、自分が初期シリーズでいちばん好きなのが最も荒唐無稽な『二度死ぬ』でした。SFアクションギャグマンガ家(なのか?)としての原点が色々詰まってる。TV版は丹波哲郎・浜美枝の本人の吹替も貴重。わが愛しの若林映子様は小宮和枝さんなのだけど……。
今回の上映会は11/14からリリース開始される007TV吹替初収録特別版DVDのキャンペーンの一環なのですが、このブックレットでもコネリーの声の若山弦蔵さんや演出の加藤敏さん・佐藤敏夫さんへのインタビューを担当しています。
重松さんは女子大生時代の通学路に丹波邸があり、歩いてたらいきなり「いいか。結婚するならヴィヴィーンと来た男と結婚しなきゃだめだ」と声をかけられた経験があるそう。離れても遠くから「いいかーヴィヴィーンだぞー」と手を振って叫んでらしたとか。

2012年10月25日木曜日

SLEEPY FLOOR 2012

知事が辞めて大騒ぎですが、明日10/26漫画家DJやります。

@下北沢モナレコード 23:30〜 1ドリンク込1500円
DJ:江口寿史 / 和泉晴紀 / おおひなたごう / 山本直樹 / とり・みき / 鈴木マサカズ / 吉田保(編集者)
※僕は0:50スタートの予定

2012年10月13日土曜日

立てこもり

ニュース等で既にご存じの通り、元警視の人が向かいの人を日本刀で切って立てこもり、結局、被害者も容疑者も亡くなったあの事件。実はうちのわりと近所だったのです。

複数のヘリの音がうるさいなーと思ったら、あっというまに規制線が張られ、道は警察・報道車両でごったがえし大変な騒ぎに。ニュースやワイドショー録画もしつつ、野次馬にも……という忙しい1日だったわけですが、俯瞰映像とナマとで現場をかわるがわる見ているというのは不思議な体験でした。

それはともかく、夕方になって某最大手警備会社の勧誘員がチャイムを鳴らしたのには驚いた。さらにそのすぐあと、今度はカレリン超えの女子選手でお馴染みのライバル会社も勧誘に来た。事件当日、さっそく現場周辺に営業に出向いたわけで(たぶん、もうそういうマニュアルになっているのでしょうね)、商魂たくましいというか、早すぎるというか、あまりに手回しがよすぎて「お前は昔の新聞4コマのオチか」と思ってしまった。

2012年9月26日水曜日

OPUS 本日発売です

本日9月26日は、とり・みきがジャケット&ブックレットのイラストを担当した山下達郎さんのオールタイムベスト『OPUS』の発売日です。

既に昨日ゲットした方からTwitterやFaceBookで感想が届いていますが「かわいい」というお声が(とくに女性の方から)多くて喜んでいます。

2012年9月10日月曜日

Etna Comics Festival

さて今週は斎藤環さんと一緒にイタリアはシチリア島カターニアで行われるマンガフェスに行ってきます。「日本のギャグマンガ史と吾妻ひでお」(仮題)みたいな話をする予定ですが、どうなることやら。シチリア島にお住まいの皆さんはぜひおいでください。

以下がEtna Comicsのジャパン・センターの紹介記事。コスプレやカラオケはもはや定番だが、折り紙や着付け指導もやるらしいぞ。

TAMAKI SAITO e MIKI TORI ad ETNA COMICS!

I am going to Etna comics festival in Catania Sicily this week. I am due to talk about "gag mangas" in Japan.

2012年8月31日金曜日

杉浦茂のとと?展打ち上げ祭

いよいよ明日9月1日(土) 17時より江東区の森下文化センターで、杉浦茂のキャラ"ほしいも小僧"が愛称の鈴木茂さんを迎えて一時間以上のライブをやります。また杉浦マンガに関するトークショーや大喜利、サイン会などもあります。

場所:森下文化センター2階 多目的ホール 地図
時間:9月1日(土)16:30開場 17:00開演
料金:全席自由2,300円(当日2,800円)
出演:鈴木茂、黒沢秀樹、長谷邦夫、本秀康、とり・みき、サエキけんぞう&Boogietheマッハモータース、伊藤健太、他


詳しくは以下を参照→ 森下文化センター コミックナタリー

なお豪華出品者による展示は翌9/2まで。こちらは無料です。

2012年8月25日土曜日

ダイナマイト関西vsギャグ漫画家大喜利バトル!!

さて、本日8/25は赤坂の草月ホールで18時から『ダイナマイト関西vsギャグ漫画家大喜利バトル!!〜第一次大喜利大戦〜』に参戦してきます。

出演は(MC)ザ・プラン9・浅越ゴエ / バッファロー吾郎 / R藤本 / 麒麟・川島 / ザ・プラン9・お〜い!久馬 / スリムクラブ真栄田 / 博多華丸・大吉・大吉 / 野性爆弾・川島 / 笑い飯・西田 / おおひなたごう / 上野顕太郎 / 小田扉 / 喜国雅彦 / ダ・ヴィンチ・恐山 / とり・みき / 中川いさみ / 浜田ブリトニー / 森繁拓真 / 和田ラヂヲ / ハリセンボン / 五月女ケイ子 / ヤマザキマリ / 椿鬼奴 / 少年少女・坂口 / みうらじゅん

ただしチケット前売り分は完売。当日券も事実上キャンセル分くらいしか出ないらしい。大喜利は完全ガチ! 机上で時間をかけてアイデアを練るのと違って、即答のアドリブ勝負は日々そういう鍛錬をしてる芸人さん有利と思うけど、頑張って対決してきます。僕は個人戦に出るんだけど対戦相手はいい声のあの人らしいぞ。

山下達郎オールタイムベスト『OPUS』

本日8/25の新聞広告にも載りましたが(我ながら驚きますね)、9/26発売の山下達郎さんの3枚組オールタイムベスト「OPUS」のジャケット……というよりはボックスのイラストを描かせていただきました。似顔というよりは、どちらかというとファンクラブ会報の読者にはおなじみの『タツローくん』キャラになっております。

また、60pに及ぶブックレット(本人解説付き)にも、30点近いさまざまなタツローくんを描いています。

曲目やボーナス・トラックなどの詳しい情報は山下達郎スペシャルサイトをご参照ください。

ビーチ・ボーイズ in 幕張

達郎さんほどストイックではないので、ブライアンのいないビーチ・ボーイズのライヴにも復帰後のブライアンのライヴにもどちらにも行っている。けれど、やはり——特に前者は、そう満足できるものではなかった。もともとライヴバンドではない、という出自もあるけれど、懐メロ演歌歌手の営業に似た倦怠感がステージを支配しており、そんなステージでも「お金を払った分は楽しまなければ損」とばかりに立ち上がって踊っている若いファン(それもそう数は多くない)を見たりすると、よけいにげんなりして帰ってきたものだ。

今回も行く前はそういう危惧があった。それでもブライアンとマイクが同じステージに立つというだけで「もうお布施というかお祭でいいや」という気持ちで過剰期待を持たずに出かけたのだった。

で——。結論からいえば、思っていたより遙かに僕は楽しんだ。それほどマニアではないので、ショーの構成やディレクションをした人物が誰だか僕はよく知らないけれど、かつての不完全ビーチ・ボーイズのステージに漂っていたお水臭さ・営業臭さは注意深く払拭され、ロック・ショーとして洗練されたものになっていた。けっして〝現役のロックバンドのライヴ〟の域ではなかったが(それは最初から期待していない)、お祭を期待してやってきたファンが満足して帰れるレベルのエンタテインメントなステージには仕上がっていたということだ。

と、時間が経っているのでやや醒めた書き方になっているが、テクノロジーやバックのサポートはあるにせよ、結局フロントで体を張っているのはオリジナル・メンバーであり、爺さん達のパフォーマンスは僕の予想の上をいっていた。僕は彼らの真摯な頑張りに素直に感動し、演奏に合わせ、もしかしたらビーチ・ボーイズ関連のライヴで初めて心から楽しんで体を揺すっていた。

僕にとっては彼らは音源で楽しむバンドだったけど、幾つかのアップテンポの曲は爆音の生演奏に体を委ねて、あらためてその良さを再認識した。単に懐メロではない「ここまで生き延びてきた」ロックンロール・ナンバーの力と現役性を思い知った。同時に新アルバムの曲 That's Why God Made The Radio がそれらの名曲に引けを取らない出来であり、観客の拍手も多かったのは感動的だった。

終演後に安田理央さんとも話したのだけど、ビーチ・ボーイズはある意味オタク(ブライアン)とヤンキー(マイク)の融合バンドみたいな所がある。ロボットレストランで提示されたテーマだ。この日のライヴでは明らかに、ブライアンのステージでも、マイク主導のビーチ・ボーイズのステージでも感じることの出来なかった一種独特の雰囲気が醸し出されていた。お互いがお互いに気を遣っているのも、過去のいきさつを知っていれば突っこみたくなるところだが、僕には微笑ましく、かつ双方のちょっと行き過ぎなところをうまく抑える効果になっているように思えた。この不思議な個性の共存こそが、元々のビーチ・ボーイズが持っていた、ゆえに僕が惹かれた重要な要素であり魅力だ。

しかし、デビッド・マークスをオリジナル・メンバーとするのなら、もうジェフリー・フォスケットもそう認めてあげてもいいのではないか。かつてのビーチ・ボーイズのコーラスは、今となっては彼のファルセットなしでは再現できないのだから。あと、幕張のステージでは曲数が削られてブルース・ジョンストンのソロが聴けなかったのは残念だった。

前座のアメリカは単独のステージで見たかった。こちらも大好きなバンドでいきなり Tin Man で始まったのにはぞくぞくっとさせられた。でもお客さんの反応はあまりよくなかったなあ。

ロボットレストランに行ってきた

嬉々としてロボを操っているのは吉田戦車
7月30日は、とみさわ昭仁、鹿野司、柴尾英令、柳下毅一郎、吉田戦車の各氏とともに歌舞伎町のロボットレストランに行ってきた。我々が日々汗をダラダラ流して節電した電気はこんなことに使われていたのである。だがそれも本望かもしれん、というくらい面白かった。

なんというか要素としては、巨大ロボット・女闘美(キャットファイト)・ヨサコイソーランなどが渾然一体となっていて、オタクとヤンキー文化の理想的アウフヘーベンがなされている。馬鹿馬鹿しさとともに、楽器や演舞や操縦などは大変な練習が必要だったであろうことは見ていればわかるので、本番までの舞台裏の風景など想像して客はうっかり感動するはめになる。メカでなく身体性への感動。そういう体育会的なノリが前面に出ているので、逆にちっともエロくないのであった。場所柄、もう少しエッチであってもいいくらい。

終了後の飲み会ではやはり経済問題がいちばんの謎というか話題になった。3000円で客をあの人数に限って、とても成り立つレヴューとは思えない。詳しくはtogetterのこのまとめを。

コントな日常

7/25から西日本新聞で連載開始の放送作家・内村宏幸さんのエッセイ「コントな日常」のカットを担当しています。5回毎にリニューアル。

内村さんは僕と同じ人吉出身で高校の後輩でもある(従兄弟のウッチャンこと内村光良さんも同じく)。ご活躍はもちろん知っていたが、実際にお会いしたのは21世紀になってから。某番組の収録でのことでありました。

よいこのための吾妻ひでお

僕がセレクションと解説を担当した【吾妻ひでお・ベスト選集】の第3集『よいこのための吾妻ひでお』が発売されました。

成年向きや『不条理日記』以降の作品ばかりが取りあげられがちですが、僕が吾妻ファンになったのは少年誌掲載の作品を読んで。前2集が80年代の作品が多かったこともあり、今回はあえてそのプレ期、70年代の少年少女誌からセレクトしました。「よいこの」とはそういう意味です。吾妻さんのデビューから『不条理日記』までの変遷をぜひご覧ください。

毎回表紙写真も色んな意味で話題になってますが、今回のモデルは東汐音ちゃん。東浩紀氏のお嬢さんです。Wアズマでお届けします。下の写真はそのウチアゲ時(吾妻さんはもちろんノンアルコール)のもの。汐音ちゃんに馬乗りにされてご満悦の吾妻さん。奥で写真を撮ってるのが汐音ちゃんの親御さんです。

お墓参りと小松左京ナイト

7月21日は箕面にある小松左京さんのお墓参りに行ってきました。お墓参りの間だけ雨が降っていて、墓所の脇の川も流れが激しくなっていた。休憩所では紅葉揚げなどかじりながら地ビールをいただきました。

お墓参りの後は大阪市立科学館のプラネタリウムで「小松左京ナイト」。写真は入り口入ってすぐの所にある学天則に狂喜する樋口真嗣監督。樋口さんは『帝都物語』のときに学天則担当(デザインは別の方)だったそう。

そして本番。パネラーはSF作家の堀晃さん、天文学者の福江純さん、樋口監督、そして小松左京事務所イオの乙部順子さん。司会進行は科学館の渡部義弥さん。

話も面白かったが、やはりドーム内側に投影される映像が圧巻。中でも堀さんの解説に合わせ、科学館の飯山さんが作成したCG「実際の夜空に虚無回廊の物体SSが現れたら地上からどう見えるか」はインパクトがあった。想像していたよりも大きな茶筒型のシルエットで、これを本当に目の当たりにしたら地球人の不安は確かに尋常ならざるものになるだろう。

最後は樋口監督の指揮で昨年の「小松左京を宇宙へ送り出す会」用に作成したビデオを投影。プラネタリウムの星空にオーバーラップする形で終演。追悼イベントながら楽しい夜でした。

2012年7月13日金曜日

阿佐ヶ谷ロフトA漫画家ナイト!に出演します

7月17日阿佐ヶ谷ロフトA ストラト☆ダンサーズ メジャーデビュー記念 漫画家ナイト! に、またまた江口寿史さんとのユニット白い原稿用紙で出演します。

【日時】7月17日(火)  開場:18:30 開演:19:00
【会場】阿佐ヶ谷ロフトA 地図
【料金】前売¥1,500 当日¥2,000(共に飲食別)
 ※前売はローソンチケット【L:36239】にて発売中
【出演】ストラト☆ダンサーズ(中川いさみ+江上英樹+佐藤祐二+神村正樹) / 山本直樹 / 河井克夫+しまおまほ / おおひなたごう / 白い原稿用紙(江口寿史+とり・みき with 伊藤健太 米澤和幸)/ ほかゲスト交渉中!

あの「クマのプー太郎」(小学館)のギャグ漫画家・ 中川いさみが描く前代未聞のガチンコ実録音楽漫画「ストラト!」(小学館月刊IKKI連載中)。この作品から飛び出したバンド「ストラト☆ダンサーズ」が、 インディーズデビューCD1000枚売ったらメジャーデビューという無謀かと思われた挑戦を見事達成!! まさかのメジャーデビュー(笑)が決定!! これを記念しまして、関係各者のゲストを集めたトーク&ライブをお届け致します!


しかし江口さんが30Tイベントと締切とでまったくつかまらないのである。はたしてリハは出来るのか? ていうか当日現れるのか?

小松左京さん一周忌で二つのイベント

どちらも大阪で。まず7月16日(月)にサンケイホールブリーゼで宇宙の知性と融合した"うかれ"小松左京に出会う会が開かれます。

宇宙の知性と融合した"うかれ"小松左京に出会う会

【日時】2013年7月16日(月)開演13:00〜17:00
【会場】サンケイホールブリーゼ
【料金】大人:1,000円 学生:500円

●第1部「さよなら小松左京」〜末来に向けて小松左京が提起したもの〜
基調講演:澤田芳郎(小樽商科大学教授)
コーディネーター:高田公理(仏教大学教授)
パネリスト:桂米朝、桂米團治、澤田芳郎、下村建樹(分子生物学者・医学博士)、乙部順子(小松左京事務所)
※体調等の都合により出演者の変更もあります
●第2部 映画「さよならジュピター」上映


国宝が無理な場合はロボ米朝が代演を……というもっぱらの噂。

7月21日(土)には大阪科学館プラネタリウムで小松左京ナイトが開催。プラネタリウムのドームに、昨年の「小松左京を宇宙に送る会」のときに樋口真嗣監督の指揮で製作された映像を映し出します。とり・みきは中に登場するロケットの船体に描かれている小松キャラを、小松さんの声は松尾貴史さんが担当しました。

小松左京ナイト-小松左京のSF宇宙を見る-

【日時】2013年7月21日(土)開場17:30 開演18:00〜19:30
【会場】大阪科学館プラネタリウムホール(地下1階)
【料金】1,000円 (全席自由) 
【定員】300名(先着順)※チケットは6月2日から販売中
→※web予約はこちら

●小松左京没記念映像「小松ロケット打ち上げ」披露
●小松左京のSF宇宙
ゲストの堀晃氏(SF作家)と福江純氏(天文学者)の案内で、小松氏の作品などで描かれた宇宙をプラネタリウムの映像をまじえて紹介
●小松左京四方山話
ゲストの、堀晃氏、樋口真嗣氏、福江純氏、乙部順子氏(小松氏秘書)が司会の渡部義弥(科学館学芸員)とともに、小松氏の世界と科学、宇宙を紹介するトークショー

2012年7月10日火曜日

特撮博物館に行きました

7月9日、東京都現代美術館で本日10日から開かれている特撮博物館のオープニングセレモニーと内覧に行ってきました。
樋口監督立ち位置のバミり 靴は伊藤理佐

最初に庵野秀明館長、樋口真嗣副館長、そして鈴木敏夫Pのご挨拶。庵野さんの締めの言葉は「妻へ感謝」だった。

友人も多く来ていたはずだが、結局、最初に出会った吉田戦車・伊藤理佐夫妻と一緒に展示を見て回ることに。……と、思ったら、展示物の一つ一つが貴重なものばかりで、最初の部屋で早々とはぐれることになる。ときどきナニカの前で偶然合流、という感じ。もう嬉しすぎて他人はどうでもよくなりますね。特撮好きの人はそうでない人と一緒に来ると、たぶんこの見学ペース配分でケンカすることになると思うので要注意。いや特撮好きどうしでも、自分の興味のあるものはそれぞれで違うだろうから、中では自由行動のほうがいいかも。

呼び物の『巨神兵東京に現わる』はCGナシの特撮を謳っており、それをアピールするようなギミックもあるのだが、さすがにここはCGだろという部分もあって、しかしその後のメイキングでそれが実写素材の合成だったことがわかり二度ビックリするはめに。そのことをあとで樋口監督に伝えたら「CGに見えたとは僕もまだまだですね」と。

地下展示では、今はなき東宝特美倉庫の雰囲気を再現した部屋と、出口直前の撮影OKのミニチュアセットが圧倒的に楽しい。セットでの写真は自分を被写体にしたほうが絶対面白いので、そこまでは自由行動でも、ここでは連れの人と待ち合わせてお互いを撮り合うのがいいと思います。

名残を惜しみながら出てきたところで、久しぶりに安野モヨコさん=感謝された妻にもお会いする。そういえば展示物の庵野さんのコメントにはすべて妻描く夫の絵が添えられているのだった。

手前の部屋もミニチュアだ
樋口さんに「漫画家さんはここにサインしてってください」と寄せ書きボードに案内されるが、特撮の錚々たる人達の名前がずらりと並ぶそのボードに僕と吉田戦車は「とてもじゃないが序列が違う」と恐れ入り、結局描かないで帰ってきました(伊藤理佐には「でも、りさっちがここに描くのは面白いから」とけしかけたが、やはり辞退)。もちろん、樋口さんが「描いてってください」といったのだから描いてる人は全然悪くありませんよ。僕と吉田の特撮自意識(新しい言葉を発明したぞ)が強すぎるのです。

2012年7月2日月曜日

エンバン大喜利に出ます

7月3日高円寺の円盤で開かれる『エンバン大喜利』に出演します。

円盤×こしょうばこ提供『来店御礼!エンバン大喜利』

【期日】2012年7月3日(火)
【時間】open 19:00 start 19:30
【会場】高円寺 円盤 杉並区高円寺南3-59-11五麟館ビル2階
【料金】Charge¥1800(1drink付き)
【予約】メール:info@enban.org 電話:03-5306-2937(円盤)

【出演】
 古泉智浩(漫画家)
 子抄(こしょうばこ)
 とり・みき(漫画家)
 脳みそ夫(芸人/レモねぇーど)
 枡野浩一(歌人)
 ヨージ(芸人)  

【進行】
砂川禎一郎(夜ふかしの会) 

【審査員】おおひなたごう(漫画家)
【チェアマン】ジョニー大蔵大臣(水中、それは苦しい)

ちなみに前日の7月2日(もう今日だ)は大阪大学教授にしてへんてこテルミン奏者・菊池誠先生の「音の不思議」だそうだ。

三つ目がとおると年刊SF傑作選

6月25日発売の完全版『三つ目がとおる5/暗黒街のプリンス』手塚治虫(小学館クリエイティヴ)で解説エッセイを担当しています。題して「手塚治虫による二度の逆襲」

さらに6月28日発売の2011年『年刊日本SF傑作選 / 拡張幻想』(大森望・日下三蔵編 / 創元SF文庫)に「僕らの漫画」に描いた『Mighty TOPIO』が収録されました。他の執筆者の皆さんは、小川一水、庄司卓、恩田陸、堀晃、瀬名秀明、川上弘美、神林長平、伴名練、石持浅海、宮内悠介、黒葉雅人、木々津克久、三雲岳斗、大西科学、新井素子、円城塔、理山貞二(第3回創元SF短編賞)※敬称略

奇しくも、というか、なんとなく手塚治虫繋がりといえないこともありません。手塚先生は僕がデビューするきっかけとなった少年チャンピオン新人まんが賞の審査員を務められていたので、感慨深いものがあります。

2012年6月30日土曜日

僕らのええ音楽Vol.2

撮影:原田香
最近はイベント告知などはどうしてもTwitterFacebookがメインで、ブログは事後報告のような感じになってしまっているのですが、これもそう。

6月23日に、伊藤健太さんが主宰する「イトケン企画 / 僕らのええ音楽Vol.2」というイベントに、江口寿史さんとのフォークデュオ「白い原稿用紙」で出演しました。
場所は青山月見ル君想フグループ名はTwitterで募集したのですが、担当編集者がピリピリしております。投稿の中には「いしかわじゅん」なんてのもあった。大島渚か(詳しくはこのTogetterを)。

【出演】MAMALAID RAG / 寺前未来 / 白い原稿用紙(江口寿史&とり・みき) / フーレンズ(安齋肇Vo、古田たかしDs、坂本みつわB、小野瀬雅生G) 

【DJ木村豊(Central67)
【ぼくらのええ音楽BAND】Ds.サンコンJr. / Key.諸岡大也 / B.伊藤健太


江口さんには3月にとり・みち(=とり・みき+葛岡みち)として出演したライヴのゲストに出てもらったのですが、今回は二人で結成した新ユニットの初ステージということになります。

前半は二人きりでフォーク・パート。かなりタイトロープでしたが、観客の皆さんの暖かいご声援で乗り切りました。後半はリズム隊=サンコンさん諸岡さん・イトケンを入れてのバンド・パート。江口さんが高校の時に作ったオリジナル『モーニング・サービス』やゲントウキのカバー『夏の思い出』などを演奏しました。客席にはゲントウキの田中潤さんもいて、とくに伝えてはいなかったのでヒヤヒヤでした。でもどうやら喜んでいただけたようでホッ(モノマネ番組のように後ろから現れるのではないかとも思ったが)。

このイベント、僕らはともかく、ごらんの通りバックの方々も含めて他の出演者の方々がすごいメンツで、僕らも客として観ていてとても楽しいイベントでした。MAMALAID RAGは以前から大好きだったし、寺前未来さんは観て聴いてすぐファンになりました。DJを務めてくださった木村豊さんは椎名林檎さんやスピッツなどのアートワークを担当されている方ですが、なんと小学生のころから拙作を読んでくださっていたとのこと。イトケンに感謝です。フィナーレは想定外でしたが二人とも安齋さんに呼ばれ My Baby Baby Balla Ballaを一緒に歌った。

来てくれた皆さん、どうもありがとう。

文藝別冊『いしいひさいち 仁義なきお笑い』

6月16日、文藝別冊『いしいひさいち 仁義なきお笑い』発売。

自分も『ののちゃん』に登場する高校生歌姫ロカちゃんへのトリビュートマンガを描かせてもらっているのですが、いやすごいよコレ。痒い所に手が届きすぎる濃い内容。いしいさんがメディアに登場する機会はほとんどないので、買い逃すと絶対後悔しますよ。

全ての記事が面白いのですが、なんといっても、いしいさん自筆の22ページに及ぶ「でっちあげインタビュー」が素晴らしすぎます。

「そもそも4コマ漫画に起承転結というセオリーは存在しません」

ギャグ作家としてのシニカルな矜持と、しかし端々に本音も見え隠れして萌え死にそうです。全てのギャグマンガ家、マンガ家、研究者、マンガファン必読。

コミックビーム200号

コミックビーム200号おめでとうございます。6月12日発売のその記念すべき号に「僕らの漫画」の『Mighty Topio』とはまた違うアプローチで震災をテーマにしたマンガを描きました。タイトルは『ダブル・ストーリー』。最初は読み間違えてくれてもかまわない、というやや不親切なツクリになっております。

前身のアスキーコミック時代には『DAI-HONYA』を連載したりしていたのですが、実はビームには初登場。表紙は久々登場のビームの顔・桜玉吉さん。連載陣も他のゲストも相変わらずの充実ぶり。

映画秘宝と金環蝕

本日5月21日発売の映画秘宝7月号に青野武さんの追悼コラムを書いています。字数が限られていたので、代表作や役を並べた感じになってしまいましたが、世代によってもいちばん印象に残っている役は違うでしょうね。アニメでは僕はやっぱりヤマトの真田のイメージが強いのだけど、新作『2199』では大塚芳忠さんが真田の声を担当していて、青野さんのテイストを踏襲しつつ、なかなかハマっていたのに感心しました。そういえば実写版でも柳葉敏郎のコピーぶりが話題になっていたけど、これらはいずれも、いかに青野さん演ずる真田が確としたイメージでキャラを立たせていたか、という証しでもありますね。

さて今日は金環蝕でした。かなり雲が多かったが、かえってそれが幸いして、我が家からは肉眼でもこんな感じで見えた。真ん中は雲から覗いたときを狙って、買っておいたリッツ(あらかじめやや穴を大きく開けてあります)を使ってのピンホール。


ナイロン100℃「百年の秘密」

5月17日、下北沢本多劇場でナイロン100℃「百年の秘密」観劇。

圧倒的。ナイロンの芝居の中でもかなりの完成度なのではないか。一族三代にわたる衰亡記……となるとトーマス・マンや北杜夫を思い浮かべるが、ここで一族を見守る巨木も当然のように楡の樹であり、地母神たるその幹の造形は女陰を連想させる。演劇でなければ味わえない空間と時間の一瞬の転換の驚き。しかしその感動を成り立たせてるのは不自然に見えぬ役者さんの芝居。大人計画とはまた違った意味で個々のメンバーの成熟度に感心させられた。

石ノ森スピリッツ6と江口寿史[tone]

翌5月3日、またまた雨の中、阿佐ヶ谷ロフトA石ノ森スピリッツvol.6「スラップスティック」へ。大友さんも石ノ森さんも宮城県出身のマンガ家という共通点があります。写真は左から司会の山田ゴロさん、吾妻ひでおさん、僕、すがやみつるさん、アシスタントの渡邉沙紀さん。渡邊さんは新人の女子プロレスラー(ブリリアントバトルガールズVoLumeII)で、楽屋には井上貴子さんもお見えになっていました。

吾妻さんとすがやさんには何度もお会いしていますが、山田さんは今回初めて。山田さんとすがやさんは石森プロ出身で、真ん中の二人はそうではないのですが、吾妻さんも僕も石ノ森先生の影響は多大なものがあります(吾妻さんには石ノ森さん原作の『好き ! 好き !! 魔女先生』のコミカライズという仕事もあります)。

僕はといえば、ご多分に漏れず『マンガ家入門』を読んでマンガの描き方を覚えたので、遠いお師匠さんともいえる。左は小学生のときに買ったサンデー・コミックス『怪人同盟』に落書きしていた石森先生の自画像。このトークライヴ、僕は石森ギャグについて話すのだと思いこんでいたら、トークの大半はやはり吾妻さんへの質問に費やされました。もちろん、それもお客さんは聞きたかっただろうからかまわないのですが、せっかくなので、最後にちょっとしゃしゃり出てその辺を語り倒してきました。

当時の人気ギャグマンガ家といえば、誰を置いても赤塚不二夫。でも赤塚さんがメタ的なナンセンスギャグに走り出すのは、バカボンの中期以降のことで、もともとの赤塚さんの資質は人情喜劇的なところがありました。しかし同じ頃、石森章太郎が描いていた『テレビ小僧』〜『となりのたまげ太くん』〜『ボンボン』というギャグマンガは、アメリカのスラップスティック・コメディを彷彿とさせるドライでクールなバタ臭い作風で、たぶん赤塚さんほどの、また石森さんのストーリー物ほどの読者数は得られなかったと思いますが、僕は大好きでした。いま見るとテックス・アヴェリーなどのアニメの影響を強く感じます。その辺をプロジェクターで具体例を挙げながらいくつか解説(まったく、誰よりも石ノ森先生に精通している先輩お三方をさしおいて、厚かましいことです)。


トーク終了後、僕と吾妻さんはイースト・プレスの堅田さんと一緒に吉祥寺で行われている江口寿史さんのカラートーンを使った原画展へ移動。

江口さんの女の子の絵はやっぱりいいですね。会場には江口さんが選んだ80年代の日本のポップミュージックが流れていて、いい雰囲気。カラートーンは僕も使ってましたが、油性フェルトペンで描いた原画に貼ったら、しばらくして糊に黒インクが染みてきてえらい目にあったことが。右は吾妻さんが対抗意識を燃やして描いたJK。

お足もとの悪い中、イベントにお越しいただいた皆さん、どうもありがとうございました。

大友克洋GENGA展



時間的には前後しますが、書き落としていたので。

5月2日どしゃ降りの雨の中、秋葉原の3331 Arts Chiyodaで行われている大友克洋GENGA展に行ってきました。僕が初めて読んだ大友さんの作品は漫画アクション増刊の『犯す』でしたが、以来ずっとマンガ界のスーパースターです。色んな技法もマネした。単行本も最初の『ショート・ピース』以来、発売時に買っています。

『ショート・ピース』が出たのは僕のデビューの年だったので、収録作品の原画に接して、なんというか色々初心を思い出したり、さらに『AKIRA』の全原画展示に圧倒されたり……。ここはマンガ家が心を入れ替える場所だな、と思った。みんな『童夢』の壁で「ズン」写真を撮っていたけど、一人だったのでそれは断念。

おなかいっぱいになって、夕方からは国立競技場のACL/FC東京×ブリスベン戦へ。雨中観戦となったが勝ってよかった。

2012年5月11日金曜日

語ろう、吹替映画。

本日5月11日21:00よりWOWOWのUstream企画【濃厚、シネマトーク!】第二回「語ろう、吹替映画。」に出演します。『ダーティハリー』を中心に吹替映画の魅力や歴史やその他アレコレについて話します。見たり聴いたりしてね。終了予定は最大23:00だそうです。

出演:とり・みき(漫画家)多田野曜平(声優/俳優)松崎健夫 (映画文筆家、WOWOW映画王)松崎まこと(放送作家)中井圭(映画解説者)

2012年5月4日金曜日

『僕らの漫画』単行本発売とコミティアでのサイン会

『僕らの漫画』が単行本としても発売されることになりました。2012年5月11日発売予定。小学館より。

これに先立ち、明日5/5(土)東京ビッグサイトで行われるCOMITIA100『僕らの漫画』同人誌版を販売します。さらに執筆者有志17名によるサイン会も行います。

【サイン会参加予定作家】
青木俊直、麻生みこと、井荻寿一、石田敦子、磯谷友紀、板倉梓、今井哲也、えすとえむ、さそうあきら、信濃川日出雄、鈴木マサカズ、そらあすか、手原和憲、橋本省吾、村上たかし、ヤマシタトモコ、和田フミエ(当日、飛び入り参加や欠席など、入れ替わりの可能性もあり)


いずれも印税・原稿料など作家は無報酬で、必要最小限の経費を除く全ての収益が、岩手・宮城・福島の各県庁が主催する、震災遺児・孤児のための育英基金に寄付されます。

同人誌版と単行本版の違いについて、またCOMITIA100サイン会の場所・時間・参加方法の詳細は『僕らの漫画』のサイトをごらんください。

2012年4月30日月曜日

石ノ森スピリッツ6に吾妻さん・すがやさんと出ます

トークショーの告知です。石ノ森章太郎さんのお仕事を多方面から読み解いていく石ノ森スピリッツ。そのVol.6「スラップスティック」に登壇することになりました。まだ詳しいことは聞いていないんだけど、タイトルやゲストのメンツから察するに、石ノ森さんのギャグマンガ家としての側面を語る……のかな? たぶんそうです。

石ノ森スピリッツVol.6「スラップスティック」

会場:阿佐ヶ谷ロフトA
期日:5月3日(木曜日)12:00開場  13:00開演  ※昼の部です!
料金:前売¥2,000  当日¥2,100(共に飲食代別)
前売はローソンチケット【L:32658】ロフトAのWEB予約にて発売中

出演:吾妻ひでお / すがやみつる / とり・みき / 他?
司会:山田ゴロ

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【追加情報
第一部13:00〜14:00 出演:吾妻ひでお
 休憩
第二部14:30〜15:30 出演:吾妻ひでお / すがやみつる / とり・みき
 会場からの質問タイムも設けます
司会進行:山田ゴロ
トーク終了後、抽選会・チャリティサイン会を行います
※石巻の石ノ森萬画館復興支援基金に寄付いたします

2012年4月29日日曜日

3秒と日本沈没

IKKI6月号(小学館)でマルク=アントワーヌ・マチューの『3秒』(河出書房新社)を紹介しています。このBD、実は出たときから書評の依頼が僕の所に来るのではと思っていました。なぜそう思ったかは……百聞は一見にしかず。大好き。

あと、『鮮烈!アナーキー日本映画史1959-1979』(洋泉社)で『日本沈没』の項を担当しています。これまた大好きな映画。
なお、このムックは春日太一さんの『仁義なき日本沈没 東宝vs.東映の戦後サバイバル』(新潮新書)と一緒に読むといいかもしれません。