2011年12月31日土曜日

忘年会

12月28日は恒例の忘年会でした。

いつ頃からかMCはコスプレをさせられることになってまして、今年は見ての通り誰がなんといおうと大活躍のあの方です。ラスタマンでもプレデダーでもありません。これ、ユニも普通のTシャツをわざわざ青く染めて手製のアップリケをつけたもの。アシスタントのさっちゃんの手作りです。

これまた恒例、サイバラよりも以前からやっている記憶画力対決のトリは、出渕裕=左と横山宏=右という豪華な組み合わせで、お題は「キングジョー」。しかも審査員は氷川竜介さん! しかし、いきなり「キングジョー」といわれて躊躇なくものすごい速さで描き始める人(二人とも)というのを初めて見た気が。現場の軍配はブッちゃんに上がったのだが横山さんのジョーもかっこいいね。皆さんの判定は。
写真:桑島龍一

達郎さんライヴ

12月25日クリスマスは達郎さんのライヴで、先週のムーンライダーズに引き続き中野サンプラザへ。こちらは全国ツアー真っ最中で、しかも例によって3時間半休憩ナシのステージ。まもなく還暦とは思えないすごいパワーです。

同じ東京人でも慶一さんとは違い、達郎さんのMCはもう喋る喋る。客イジリも、逆に客のヤジへのリアクションも頻繁で、しかしそれは昔から変わらないことなので、もはや名物の一つになっている。喋らない山下達郎なんて。

過去にはそれがうまくかみ合わないこともあり、ちょっとした緊張状態というか客席の反応(or無反応)に苛つかれる姿も目にしたこともあるけど、いやずっと見続けている者からすればホントに丸くなられました。ライヴは客もまたその出来の一手を担う責任がある、というようなことを達郎さんはよくインタビューなどでお話しになっているけれども、この夜は「いいお客さんで本当にやりやすかった」とのことだった。個人的にもここ何度かのライヴでいちばん楽しめたかもしれない。

ツアー途中なのであまりネタバレ的なことは書けないが、震災があり、新譜にもその影響は現れていたので、実は今回のツアーでも、ややメッセージ性の強い曲やMCが多くなるのでは……と思っていたら(危惧ではなくて、それはまあ当たり前のことだろうと)この予想は外れ、ふだん通りのステージがあった。むしろMCでも災害にはくどくは触れず、曲も明るいアップテンポの曲が多かった印象だ。歌唱・演奏はあらためて書くまでもないが素晴らしいの一言。プロフェッショナルなステージでした。新加入の宮里陽太さん(都城在住で通いで参加だという)のサックスもとてもよかった。

物販コーナーで販売されている拙著『タツローくん 2011 EDITION』と「タツローくんカレンダー2012」も、おかげさまで売れていたようでございます。どうもありがとうございます。

Ciao! ムーンライダーズ

12月17日、チケット購入時にはそんなことになるとは思ってもいなかったムーンライダーズの暫定ラストコンサートを観に中野サンプラザへ。着くと会場前には幾重にも蛇行した長い行列が。

ライヴはホールも含めた複数の場所でのメンバー一人一人の同時多発パフォーマンスから始まった。それから至福の2時間余。楽しくてかっこよかった。いつだってシャイでクールでストイックなバンドで、今宵もMCはほとんどなかったけど、心なしかオープニングからラストまで、いつもより客との距離を近くしているように感じられた。

何人か事前にツイッターなどで「会場で会いましょう」と言葉を交わしていた方達がいたのだが、終演後の人混みで確認出来ず会えなかった人も。でもまあこのバンドのファンはバンドと同じメンタリティの人が多いから「遇えれば僥倖、しつこく探し回るには及ばず」と勝手に判断し、めぐりあえた古くからのライダーズファンのまついなつきさん達と鍋を食べに行く。まついとは、同じく筋金入りのムーンライダーズファンであった故ナンシー関さんのお別れ会に二人で行って、堀井憲一郎氏のヨメから夫婦と間違われた、という過去を持つ。

写真は演出で使われ客席に転がってきた風船。帰路、昇ってきた下弦の月をバックに撮りました(これを「下弦」とつぶやいたら「上弦ではないのか」とツイッターでひとしきり論議に。東の空に昇りたてでこの状態の月は下弦なのです)。

ゲット スマート実況

12月11日は日曜洋画劇場『ゲット スマート』のオンエアに合わせて、主演のスティーヴ・カレルの声を担当した江原正士さん(写真左)と僕とで吹替に関するツイートコメンタリーを行いました。アン・ハサウェイ担当の田中敦子さん(@atuwosyousa) もご自宅より参加。

まず映画の解説から。これは元々米NBC制作の60年代のTVシリーズのリメイクで、日本でも「それ行けスマート」というタイトルで、66年から67年までNET(現テレビ朝日)68年から69年まで東京12チャンネル(現テレビ東京)で放送されました。

外国TVドラマにもその時々の、たいていは映画のヒットに呼応した流行りがあります。60年代初期までは西部劇が主流でしたし、その後戦争物が流行りました。やがて007シリーズがヒットすると、TVでも0011ナポレオン・ソロを筆頭に「ハニーにおまかせ」「アイ・スパイ」などスパイ物一色になりました(蛇足ですが、70年代は映画『ダーティハリー』とTV「刑事コロンボ」のヒットで刑事物一色になります)。

「それ行けスマート」はそういうスパイ物のパロディとしてメル・ブルックスらが企画したドラマで、スマート役のドン・アダムズの吹替は藤村有弘が、エージェント99は久里千春(のち小原乃梨子)、チーフは塩見竜介、ジーグフリードは川久保潔が担当していました。映画にも登場する靴の電話はTV版の有名な小道具です。

『ゲット スマート』は吹替付きのDVDが出ていますが、今回のOAは「日曜洋画劇場」用に新たに新録されたもの。吹替キャストは

スマート=エージェント86/スティーブ・カレル(江原正士)
エージェント99/アン・ハサウェイ(田中敦子)
エージェント23/ドウェイン・ジョンソン(小杉十郎太)
チーフ/アラン・アーキン(小川真司)
ジーグフリード/テレンス・スタンプ(大木民夫)
大統領/ジェームズ・カーン(内海賢二)
ブルース/マシ・オカ(関智一)
ロイド/ネイト・トレンス(木村昴)
シュターカー/ケン・ダビティアン(宝亀克寿)
ララビー/デヴィッド・ケックナー(塩屋浩三)
演出:鍛治谷功 翻訳:藤澤睦実 制作:東北新社

これだけでも相当に豪華なメンツです。最近はTVの洋画番組でもDVD版をそのまま流すケースが増えているのですが、久々に日曜洋画の心意気を見た気がします。ブルース&ロイドがドラえもんコンビなのはテレ朝らしい面白いキャスティング。さらにカメオ出演のビル・マーレイは安原義人!(実は江原さんもビル・マーレイをたくさんやってらっしゃいますが、安原さんも当番は多い)加えて、短い出演ですが大友龍三郎、大塚芳忠、田中秀幸さんまで登場という、てんこ盛りぶり。

超豪華な吹替メンツだったので、リプライで予算についても幾つか質問を受けました。これは現場の方々は立場上答えづらいと思うので、僕個人の責任で。吹替の音声制作の予算はDVDよりTV版のほうが全然潤沢です。とはいってもあくまで比較の話であり、洋画番組も他の番組同様、この節なかなか厳しい制作環境にはあるのですけど。

僕の考える贅沢な吹替というのは、例えば有名俳優がワンカットだけでもカメオ出演していたとしたら、その可笑しさや効果を吹替版で忠実に再現するためには、声優さんもそれに見合う(出来ればフィックスの)方を起用することだと思うのですね。実際は予算の問題等でなかなかむずかしいのですが、この日のキャスティングには、予算を度外視してなんとかTVオリジナルの吹替を楽しんでもらおう、という制作現場の熱意が現れていました。

もちろんDVDの吹替にも意義はあります。幾つか確認のためDVD版(こちらはスマート=横島亘、99=林真里花、23=楠大典、チーフ=佐々木敏、シーグフリード=山野史人というキャスト)も観てみましたが、吹替台本はかなり原画のセリフに忠実でした。それにもちろんノーカット。劇場版やDVD版はオフィシャルなものとして残るので、そうしたことがまず第一に求められます。反面、お行儀はいいけどあまりお遊びが許されない。

これに比べてTV版は最初からCM中断やカット前提、さらに視聴率も気になりますから、暴論に近い極論をすれば「その映画を使って新しい作品を作る」くらいの感じで演出がなされます。キャラクターはより際だつように、セリフもわかりやすさを優先した翻案が多くなります。例えば今回原画で「チャック・ノリスか」と言っていた部分は、TV吹替ではスティーヴン・セガールになってました。

そういうわけであくまで僕個人の考え方ですが、TVの外画番組は「原画の映画スタッフ+吹替制作スタッフの共同作品」という気持ちで観ています。といっても原画のいちばんキモの部分を損なってはいけません。原画に風格があれば吹替版もそうあるべきでしょう。いっぽう原画がお遊びの多い映画だったら吹替もたくさん遊んでかまわない、と思っています。ただしセンスは問われる。コメディは大真面目に演じてこそ可笑しいので、勘違いの方向にふざけすぎると逆効果になることも多い。今回はなかなかバランスがよかったのではないでしょうか。

楽しかったけど、しかし、リアルタイムの臨機応変なツイートはデータ的なことを間違わないか緊張するね(ただでさえよく間違うのに)。江原さん、田中さん、そしてふきカエル @fukikaeru の中の方々、どうもお世話になりました。

そういえば原画にも有名スパイ映画のパロディシーンが幾つか出てきますが、今回の吹替メンツ、なんと過去にボンド役を演じた人が、内海賢二、小杉十郎太、小川真司、大塚芳忠、田中秀幸、江原正士と6人もいました。……という話をしていたら、翌日の田中敦子さんのツイートで「あつをも007消されたライセンスのボンドガールよ(#^.^#) 」というご指摘が。そうだった(ヤマちゃん版で)! 不覚!

『ゲット スマート』アテレコの現場レポート↓

カキューン!! 新動画

2010年から関西テレビの深夜バラエティ『カキューン!!』のアイキャッチアニメをそうまあきらさんと一緒に担当していますが、新ヴァージョン2本が新たに加わりました。声はいつもの藤本景子アナ。

新作も含め2011年版のすべての動画6本がオフィシャルサイト(→ここ)で観られます。うち2本ほどが深夜らしくお色気篇。