これらの音を作ったのが、この作品の主人公大野松雄氏である。ドキュメンタリー前半では映画・アニメ界の錚々たる音響スタッフが氏の仕事を語るが本人は登場しない(このへん、やはり電子音楽家のドキュメンタリーとして秀逸だった『テルミン』をちょっと彷彿させる)。大野氏は、僕も映画を観るまでは詳しく把握していなかったが、単なる効果マンの枠を超えた人物で、後半ではそういう氏の、人から見れば偏屈な生きかたや、現在の養護施設での活動を描いていく。映画・アニメ・テレビの音声制作、電子音楽に興味のある人は必見。7月に急逝されたレイ・ハラカミさんも登場。
この日は終映後、労作『電子音楽 in JAPAN』の著者・田中雄二さんと樋口真嗣監督のトークショーがあり、インサイダーならではの裏話が興味深かった。優れたドキュメンタリーは(悪い意味でなく)優れたフィクションなのだなあ、と思ったことです。
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